昔の自分に戻りたい。昔はもっと人に優しく、思いやりもあったように思う。雑談をしたりしてコミュニケーションも円滑で、好かれていたとも思う。現在の自分は、人に対して刺々しく、雑談どころか何を言っているのかわからないコミュニケーション不全に陥っている。
たぶん、意識とか考え方が変わったのだろう。環境は変わっていないのだから。どうして意識が変わってしまったのか。それはおそらく、人間として"ふつう"に近づいたからだと思う。かつては、自分は異常で人と同じにはできない、自分のできることを自分のペースでやっていくしかないと考えていた。それが働くようになって案外"ふつう"に近いことができることを知ると混乱した。異常な人としてのアイデンティティが崩れて、自分のペースでできなくなってきた。人と同じにできるはずなんだから、頑張らなくちゃと考えるようになった。
それは大きな変化で、ストレス要因であった。ストレスをコントロールできずに、よくない考えに囚われ、人との関わりに影響が表われたように思う。
こうなってよく思うのは、昔読んだ小説の『アルジャーノンに花束を』によく似ているなということ。本当に幸せな状態とはどういうことなのか考えさせられる。
昔の状態には戻りたくても戻れない。戻りたいと願っても、完全には戻れない。新しい考え方
をして、新しい居心地のよい状態を目指していくのが近道だ。