CDをかける。シュナーベルのベートーヴェンだ。ピアノ協奏曲第4番第5番が収録されたアルバム。この1942年に録音されたピアノ協奏曲第4番。これをグレン・グールドが毎日のように聴き込んでいたという話をネットで聞いたのは、このアルバムを手に入れてしばらくしてからだった。
もともとは、シュナーベルの弾くベートーヴェンのソナタが凄いらしいとネットで聞いて、中古ショップで手の届く価格だったから全集録音を手に入れたのが端緒になる。たしかに凄いソナタだった。でもあまり聴く機会を持たなかった。ソナタを聴いたなら、協奏曲もということで、手に入れたアルバムが冒頭のアルバムだった。こちらは好きでよく聴いている。所有している第4番のなかでベストかもしれないと思っている。
ところで、あのグールドがシュナーベルを史上最大のベートーヴェン弾きと称し、グールドが聴いていたものと同じ録音を聴けるとなると、何かグールドにお近づきになれた気がして鼻が高いと思った。ちょっとズレているんだよな。そういうので悦に入るのは。シュナーベルもグールドも両方ともちゃんと聴いて、グールドはシュナーベルを聴いてこう感じたのだろうかとか、グールドのベートーヴェン録音においてその影響が見出せるのだろうかとか、そういう次元に行こうと思う。
でも、シュナーベルの第4番いいな。