日常の雑感

人生の途中経過を記録していきます

聴きどころとは

昔からどのジャンルにしろ音楽の聴きどころは自分で見つけるものだと思っていた。アルバムはタイトルの響きかジャケットで選んで買うもの。そこから先は繰り返し聴いて聴きどころを見つける段。聴きどころを見つけることが音楽を楽しむことだと考えていた。

しかし、それは大変に長く苦しい道になってきた。若い20代の頃は、まだまだだな、もう少し聴かないとわからないなくらいに楽に構えられた。そこから10年経っても、なかなか聴きどころが見つからないアルバムが多かった。twitterなどにはいとも簡単に理解しているような人がたくさんいるのに。

最近、シフとヴェーグのモーツァルト・ピアノ協奏曲集をレビューを見た。以前はレビューなど読まなかった。理解できない自分に焦るので、twitterに上げられる感想すらまともに見なかったのだが、何の風の吹きまわしか読んでみた。

シフとヴェーグのものは、ピアノもさることながら、管弦楽木管が美しいというレビューがあった。そうなのかと、管弦楽に注意しながら聴いてみた。確かに美しい。そして聴きどころを提示されて聴くのはなんと楽なことか。情報をまったく入れない状態だったから、何回聴いても「へぇ、いい演奏だね」で終わってしまって具体的に何がいいのかわからなかった。

まったくの暗中模索状態だった時期。そこで何かを得られたのだろうか。ただの無駄な時間だったのだろうか。何かしら得られたものがあったと考えなければやっていられない。