日常の雑感

人生の途中経過を記録していきます

好きなものを聴く?

音楽を聴くのに、好きなものを聴きたいと思うはずだ。自然な思考だ。好きなものだけを聴いていたいはずだ。僕も、好きなものを聴きたい。PHISHとかFrank Zappaを聴きたい。ベートーヴェンテンペストを聴きたい。

でも、僕は、いつも好きなアルバムばかり聴いているかというとそうではない。さすがに嫌いなアルバムは聴かないし嫌いなものは処分してしまって聴くことはできない。一方で、好きではないアルバムは多く持っているので、聴くことがある。好きではないアルバムが何故ライブラリに存在するのか考えると、それは、好きなアルバムに箔をつけるためとか、好きなアルバムのルーツや影響下にある音楽を見つけて楽しむための素材。あるいは、好きなアルバムをより深く理解し楽しむための資料として聴くため。こんなところか。

実際に音楽を聴いている時間を見てみると、好きなアルバムを聴いている時間は極めて少ない。ほとんどの時間は、好きではないアルバムを聴いている。これは勉強なのか。

 

かつて大滝詠一氏は、"一を知るために十を知る"と言ったそうだ。ひとつのことを深く知るには、一見無駄に思える十を知る必要があるということらしい。彼は音楽家だったから、ひとつのアルバムを理解するには、そのアーティストの全てのアルバムと、周辺にあるアルバムをひとつでも多く聴くくらいの手間をかけるべきだということだろうと認識している。

その手間の楽しんでいるのなら、それは最早、趣味である。