日常の凸凹

見なれた日常にある凸凹を見つけて記録していきます

スピッツ『空の飛び方』と夏の譚

スピッツのアルバムに『空の飛び方』というのがある。俺が中学や高校の頃の夏によく聴いていたアルバムだ。90年代。音楽を聴くことしかすることがない生活だったので、それこそ擦り切れるほど聴いていた。梅雨明けから秋のはじめくらいまでがシーズンで、それ以外の時期に聴いた記憶はほとんどない。

かんかん照りの午後くらいから聴くと気持ちのよいアルバムだ。夏を楽しめるアルバムだと思う。でも、大滝詠一の『ロングバケーション』とかフリッパーズ・ギターの『海へ行くつもりじゃなかった』のように、友達や恋人とドライブに行く道中にかけるイメージではない。家で何も予定もないなと、独り、窓を開け放った部屋で暇を持て余した暑い日を、今でも思い返す最大級の夏の思い出に変えたアルバム。人によっては哀しいと思うかもしれないが、俺はこれがかけがえのない夏なのだ。